地球にもやさしいから石けんオフにこだわる。MiMCのミネラルコスメ大解剖
2019/10/07
石けんオフメイクの日をつくって肌を休ませてあげたい
肌にやさしいと思えるコスメを使いたい
そんな思いを持つ皆さんに向けて、肌と真剣に向き合う日本すっぴん協会がミネラルコスメの魅力をひも解く後編。
前編では、MiMC創業者の北島寿さんから 肌にやさしい理由は“積極的に良いことをしてくれるミネラル”を含んでいるところにあることなど伺いました。
後編では、配合する美容オイルや石けんオフへのこだわりについてお聞きします。
数あるオイルからオリーブスクワランを選んだワケ
ファンデーションに含んでいるオイルでMiMCが一番大事にしているのが、オリーブスクワラン。
スクワランはもともと肌にあるものだからこそ塗布したときに肌との相性がよく、ほかのオイルと比較しても「ものすごく酸化しづらいと言える」(北島さん)のだとか。
また北島さんによると、酸化した皮脂は肌負担になるだけでなく、肌荒れの原因につながることも。日々酸化した皮脂は洗顔で落としてあげたり、コスメにおいても酸化したオイルをとらないことが大切なのだといいます。
そこでMiMCでは、ファンデーションに配合するオイルとしてオリーブスクワランの配合量をもっとも高め、その他のオイルは美容成分として少量配合しています。
肌に必要な成分だけで作りたいから抽出方法にもこだわる
また、できるかぎり植物のパワーをまるごといただけるようなオイルの抽出方法も模索!
「パウダータイプから、(リキッドなどの)いろいろな練りもの系のアイテムをつくるにあたっていくつかの美容オイルを配合しますが、ここではできるかぎり『植物の力』をそのまま生かせるよう工夫しています」(北島さん)
抽出時はその植物からまるごと酸化しない状態でオイルを取り出せるよう、「熱をかけないor 非加熱で取り出す」「高速でまわさない」ことがポイントに。
そして、“肌に本当に必要な成分だけでコスメをつくりたい!”との思いから、
一般的には「形状」を作り出すために必要だけれど、肌には不必要な助剤・補助剤などを使用せず、植物の本来のパワーを借りることでパフォーマンスの高いアイテムづくりを行っているといいます。
「たとえば種子から取り出す植物オイルには、もともと種子という固形成分がありますね。抽出の段階でできるだけまるごと全てを圧搾することで、パウダーを混ぜ込んだ時などにも、植物にもともとあった“固形の状態に戻ろうとする力”が働きます。
反対に、植物から単品で純粋な成分を取り出して、そこにパウダーを混ぜ込もうとするときのほうが難しい。溶かし込むための助剤や補助剤の力が必要になってきますから、MiMCでは、植物の力のちょっとずつの積み重ねでコスメの形状を生み出す努力を常に続けています」(北島さん)
リキッドファンデは“泥団子発想”だから石けんで落ちる
▲「ミネラルリキッドリーファンデーション」 SPF22 PA++
実際に、MiMCには想像力が豊かすぎる(!)“濡れたときと乾いたときの泥団子の色変化”から着想を得たというリキッドファンデーションがあります。
通常ファンデーションをつくるときには、外からの影響で色の変化が起きないよう、色素をシリコンなどでコーティングするといいます。ところがあくまで“石けんオフ”にこだわるMiMCでは、そういったコーティングをしないことで「落としやすさ」はそのままにしたリキッドリーファンデーションの開発を考えたそう。
「泥団子のイメージですが、乾いているときには砂は白っぽく、水にぬれた瞬間に茶色くなりますね。これが何もコーティングしていないときの鉱物(ミネラル)の特徴です」(北島さん)。
このリキッドを肌に塗布すると、最初は白っぽいリキッドが、最後は肌の持つ水分・油分とまじりあって“濡れた状態の泥団子”のような、絶妙な肌のトーンで落ち着き切るのだそう…!
▲真空状態の「エアレスコンパクト」から、新鮮な状態で1プッシュが手に取れるこちらのリキッドファンデ。1プッシュを出したら、スポンジで肌に塗布します
▲最初は肌に塗布すると、白っぽい状態に
▲さいごは肌の水分・油分となじんで絶妙な肌色で落ち着きます。リキッドなのにつけたあとも肌が軽く感じ、かつしっかりカバーはしてくれました!
オイルの力でUVカット力を高める!
さて、太陽が近かったり、極寒だったりするところで育つ植物には、その場所から動くことができないからこそ水が少ない場所でも保水する力や、アマゾンのような光の強いところでも紫外線を防御する抗酸化力を持つものがあります。
「鉱物(ミネラル)だけの力を使って高いUVカット力を高めようとすると、塗ったときに顔が真っ白になってしまいかねません(笑)。MiMCではいろいろな植物オイルを組み合わせることで、植物が紫外線を遮断するためにつくりだしている抗酸化力を借り、SPF値を高めるようにしているんですよ」(北島さん)
同様に、配合する“水分”にもこだわりのポイントが。
たとえばリキッドファンデーションには精製水でなく、北海道の高層湿原の白樺樹液からとれる「白樺水」を用いています。白樺水は保水力に優れ、カリウムやマグネシウム、鉄など多種のミネラル、アミノ酸などの美容成分も豊富!
化学物質過敏症に悩んだ経験のある北島さんは、過去に水道水では肌がしみても、植物を煮出した水ではしみなかった自身の体験から、植物由来の水性成分を配合することに決めたと明かしてくださいました。
地球の環境のためにも、石けんオフに
最後に、石けんオフのアイテムにこだわる理由について伺いました。
「自分を(洗って)きれいにしたあと排水したものは、生分解してまた地球に戻ってほしいなというふうに思っています」(北島さん)
石けんは排水したあと数日のうちに水と二酸化炭素に分解されるほど生分解性が高いとも言われており、「MiMCの原料をつくってくださっている契約農家さんも、いろいろな作業をしたあとにうちの石けんで洗うと『イトミミズが死なんのよ』と電話で教えてくださるんですよ。
石けんは最も歴史の古い界面活性剤で、人とのかかわりも長いです。そういう意味では、地球にすばやく戻してあげる、循環させていくということも大切にしていきたいと思っています」とのこと。
9月20日からは、ブランドのスローガンを“From nature to You.”から“Love YOURSELF Love MYSELF We love YOU.”にチェンジ!
人も地球の一部であり、自分を大事にするように地球も大事にしようという想いも込められているのだそうです。
「この地球が美しく、いい土からいい植物ができるからこそMiMCの化粧品はできています。これからも、自然の力を味方につけるようなメイキャップを届けていきたいですね」(北島さん)
今後も日本すっぴん協会では、“クリーンビューティー”なコスメについて定期的に情報発信していきます。お楽しみに。
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(日本すっぴん協会運営チーム・秋丸穂乃佳)