日本すっぴん協会

化粧水1本から始める地球にいいこと。ナチュラルスキンケアdo naturalの挑戦

2019/09/12


肌につけるものに関して、“できるだけナチュラルなものを使いたい”と考える人も増えてきたと思います。ナチュラル化粧品の人気は高まる一方で、手を伸ばしづらい理由として「ナチュラル化粧品は高い」という事実もあります。

8月27日に登場したばかりの「ドゥーナチュラル」は、より多くの人が手に取りやすいよう各アイテムを2000円前後に抑えた、ミレニアル世代向けナチュラルスキンケアブランド。
国産のスキンケアラインで初めてエコサート*認証を取得した「ドゥーオーガニック」の姉妹ブランドとして誕生しました。

今回は、ブランド誕生のきっかけを田川貴詞さん(ジャパン・オーガニック(株)執行役員)に伺いました。


▲ドゥーナチュラルは肌への効果を考えると同時に地球環境もケアできるような美容の在り方を提唱しているブランド。田川さんによると、配合された植物由来成分をはじめとする“ナチュラルさ”が環境への優しさ。そして、同社が長年培った技術力をもとに、化学的につくられた成分を効果的に最小限配合することで製品の安定性を高め、肌リスクを抑える“処方力”が、肌へのやさしさなのだとか!

*ECOCERT(エコサート)は、1991年にフランスで設立された世界最大の有機認証機関のひとつ



ケミカルでもオーガニックでもない。ナチュラルという“真ん中”があっていい


―まずは、ドゥーナチュラルを立ち上げることになったきっかけから伺っていければと思います。

田川さん:“化粧品を通じて世の中に何か良いことをしたい”という想いで誕生したドゥ―オーガニックはまもなく12年目を迎えますが、約10年の間にオーガニックコスメは専門店を中心として、より多くの方に手に取っていただけるようになりました。それでもまだ、約2兆円規模の化粧品市場の中で1割にも満たないのがオーガニック・ナチュラルコスメの市場です。


私たちとしては、それではもったいないと。
植物由来の環境に配慮したコスメはもっとマスに広まっていくべきですし、長年オーガニック・ナチュラルコスメに携わってきた自分たちにはその部分を推し進めていく責務があると考えました。



―肌だけでなく、環境負荷も考えた製品がもっと多くの方に広まっていくべき、ということですね。

田川さん:そうですね。オーガニックは受け入れられつつありますが、まだまだ浸透しきれていないと感じていました。また、コスメは、「(ケミカルなものから)植物由来のものを使おう」を飛び越えて、いきなり「オーガニックなもの」にいった印象があります。ケミカルとオーガニックの“中間”となるナチュラルな製品も意外と少なかった。


けれども、この中間の“ナチュラル”こそ、より多くのお客様にも受け入れていただきやすいものなのでは?と。そこでドゥーナチュラルは、この“中間”を担うナチュラルスキンケア商品として企画しました。


▲田川さんによると、化粧品は1つの見方として「オーガニック」「ナチュラル」「ケミカル」の3つに区別できるのだとか


田川さん:“オーガニック”は、当社で言えば姉妹ブランド「ドゥーオーガニック」が当てはまります。合鴨農法で育てた丹波篠山の有機玄米と黒大豆をキー成分に用いていたり、オーガニック農法でつくられた植物由来の原料を使用し、世界規準のオーガニック認証「エコサート」を取得していることが特徴です。
また“ナチュラル”はオーガニックとケミカルの中間に位置し、天然由来の成分を使っているプロダクトのこと。「ドゥーナチュラル」はここに当てはまります。一般的に“ナチュラル”に明確な定義がないのが現状ですが、当社では天然由来成分90%以上であることを指標にしています。
最後に“ケミカル”は、石油由来の原料を用いていたりするプロダクトを指します。


▲ドゥーナチュラルのどのアイテムも、天然由来成分を90%以上配合。7つの無添加として「石油系界面活性剤フリー」「合成香料フリー」「アルコールフリー」「鉱物油フリー」「パラベン(防腐剤)フリー」「着色料フリー」「シリコーンフリー」を掲げています。
また、ボトルの包装には植物由来のバイオマス*PET樹脂でつくられたシュリンクやクリアケースを用い、その上に商品説明などを記載。ミニマムなパッケージも環境にやさしいポイントのひとつに

*バイオマスは、生物由来の資源のこと。石油由来のものとは異なり、カーボンオフセットによって大気中のCO2濃度上昇の影響が比較的低い




“なんとなく良さそう”で手に取った製品が、実は肌だけでなく環境にも良い!


―続いて、植物由来のドゥーナチュラルが環境にやさしい理由は、どんなところにありますか?

田川さん:1つ言えることは、原料である植物は成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収します。この植物由来・天然由来の成分を使うことで、環境への負担を抑えながらものづくりを行うことができます。また、枯渇資源である石油の使用量を減らすことにもつながります。


例えばいつもの化粧水1本でもドゥーナチュラルの商品に切り替えていただくことで、1本分ではあるけれど環境負荷を減らしたことになりますね。
これはドゥーナチュラルを選んでいただく方が増えれば増えるほど変わっていきますし、環境への負担を減らすこともこのブランドの大きな意義だと考えています。


―化粧品が環境のためになるというのは、なかなかつながりづらい人も多いと思いますが、無意識にでも選ぶ人が増えるほど結果は変わってきますよね。

田川さん:意識していても無意識でも、環境に対して“良いこと”をしているという結果は同じことですよね。これまでオーガニック・ナチュラル市場は、お客様の自発的な情報収集とその結果の購入という一連の意思に頼りすぎていた部分もあったと感じています。
そこでドゥーナチュラルは、パッケージをパッと見たときの“分かりやすさ”にもこだわりました。一目で「ナチュラル」だと感じていただけるようにしています。



―たしかに、ナチュラルであることが一目瞭然のパッケージですよね!

田川さん:消費活動は自分が何を支持するかのVote(投票)の側面があると思います。今は流行の移り変わりも早く、何が自分にとって良いか、正しいかといったことを判断する時間も限られがち。
情報や商品が数多にある中で、“なんとなく良さそう”で手に取っていただいた商品が実は肌だけでなく環境にも良いという、お客様の消費活動のサポートができるようなブランドになれるよう、パッケージ面も作り込みました。


▲ドラッグストアやバラエティストアなどで展開されるドゥーナチュラル。ユーザー自身が陳列棚から商品を選ぶスタイルのため「パッケージ自身がしゃべってくれないと伝わらない」と田川さん。
そのため商品を包むシュリンクには配合した植物の絵をあしらっていたり、「化粧水」や「美容液」といった分かりやすい表示も


▲キー成分となる米由来グルコシルセラミドやスイゼンジノリ多糖体、アシタバエキスをイラストでも表現!


▲ユーザーが購入後に包装パッケージをはがすと、シンプルなグリーンのボトルがお目見え。「ナチュラルなものを使っている実感って、喜びや満足感につながると思うんです。そこで容器にはそれをより感じられるよう、グリーンという色を選びました。外側(のパッケージ)は分かりやすく、中身のボトルはシンプルに、生活に溶け込みながら、ナチュラルを感じられるものを意識しています」(田川さん)



みんなに届きやすいかたちを目指して、低価格・オール市場に


―ところで、“多くの人に届きやすいもの”ということで、価格を抑えることや、販売場所にもこだわったそうですね。

田川さん:メインターゲットはミレニアル世代の女性なので、できるかぎり生活のなかで負担にならない金額であるべきと考えました。植物由来でつくろうとするとどうしても原料費が高くなりがちですから、その部分は工夫が必要でしたね。商品の中身には妥協せず、テクスチャーの“守られている感” (保湿感)にもこだわっています。
極力シンプルにしたパッケージは、環境負荷を下げるというだけでなく、もう一方では価格を抑える目的もあります。


―販売場所に関しては、いかがでしょうか?

田川さん:お客様が“日常的に買える場所”が絶対的に必要で、仕事帰りにも最寄りの店舗で無理なく購入いただけるよう、ドラッグストアや量販店でも取り扱っていただいています。ドゥーナチュラルの考え方を受け入れてくださるところであれば販売場所は問いませんので、その意味ではオール市場と言えますね。



ビューティーとサスティナビリティーをつなぐ架け橋に


―最後のご質問として、ビューティーとサスティナビリティー(持続可能性)の両立は時にむずかしいことがあると思いますが、このあたりについてはどう感じていますか?

田川さんビューティーというのはお客様自身のベネフィット(便益)、サスティナビリティーは地球の環境へのベネフィットで、そこにまず大きく違いがあると思っています。
環境だけのベネフィットを考えて天然由来100%のものづくりもできますが、それが肌にとってもやさしいとは限りません。意外と人のことがおきざりになってしまう場合もありますよね。そうなった時にメーカーとして何ができるかというと、そのバランスをとったプロダクトを作ることが、双方をつなぐ架け橋になると思っています。


―化粧品づくりにおいてもバランス感ということですね。

田川さん:いまは、環境を考えることが自分に良いこととして戻ってくる時代だなと。自分のことだけじゃなく、周りや環境のことも考えて行動することでより幸せになる、そんなマインドが醸成されてきているのではと感じています。


ジャパン・オーガニック社としては、ナチュラルコスメという分野が一過性の流行りを越えて浸透していくことがひとつの目標。そういったプロダクトが、他社の商品も含めて増えていけばいいなと思っています。


▲“クリーンビューティー”をひとことで言うと?の問いには「人と環境の両方を考えているビューティーというのがクリーンビューティーだと感じています」(田川さん)とお答えいただきました!




今後もすっぴん協会では、“クリーンビューティー”なアイテムについて定期的に情報をお届けしていきます。お楽しみに。


ドゥーナチュラル全商品

ハイドレーティング ローション [モイスチャー] <化粧水> 150ml ¥2,200+税

ハイドレーティング ローション [ディープ モイスチャー] <化粧水> 150ml ¥2,200+税

インテンシブ エッセンス [モイスチャー] <美容液> 40ml ¥2,600+税

インテンシブ エッセンス [ディープ モイスチャー] <美容液> 40ml ¥2,600+税

ナリッシング エマルジョン [モイスチャー] <乳液> 115ml ¥2,400+税

ナリッシング クリーム [ディープ モイスチャー] <クリーム> 45g ¥2,400+税

クラリファイング クレンジング オイル <メイク落とし> 150ml ¥2,000+税

クラリファイング ウォッシング フォーム <洗顔料> 120g ¥1,800+税


(日本すっぴん協会運営チーム・秋丸穂乃佳)

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