日本すっぴん協会

食と同じように化粧品をヘルシーに。キンバリー・パリーさんに聞く「クリーンビューティー」とは?

2019/10/29


数年前にアメリカで始まり、今注目を集め始めている「クリーンビューティー」というトレンドをご存知でしょうか? 食べるものと同じように、肌につけるものもやさしさにこだわりたいと考える人たちから始まったムーブメントです。

今回はこのクリーンビューティーについて、米国西海岸やハワイのセレブリティを中心に人気を集めてきたオーガニックブランド「キンバリーパリーオーガニックス」の創業者、キンバリー・パリーさんにお話を伺いました。



キンバリーパリーオーガニックスとは?



2007年に誕生した「キンバリーパリーオーガニックス」は、USDA(米国農務省)認証農場から原料を調達し、USDA認定の自社工場で製造を行うオーガニックブランド。キンバリーさんの、娘を想う気持ちから誕生しました。


青春時代から祖母の影響でガーデニングと料理に情熱を注いできたキンバリーさんは、生まれつき肌の弱かった娘のことを考えて、自宅でオーガニック素材を用いたホームメイドのクリームを作り始めます
多くのスキンケアを試しながらも改善がみられなかった娘の肌に劇的な変化をもたらしたことから製品化し、ブランドがスタートすることとなりました。



クリーンビューティーは、着実に前に進んでいくトレンド!


さて、アメリカでは5年から8年ほど前から、“健康なものを食べよう”という、イートヘルシーのムーブメントが沸き起こっていたとキンバリーさんはいいます。


イートヘルシーが健康意識の高い層から広まるにつれて、
「口から有害なものを摂り入れることを避けているのなら、肌も人体の最大の臓器だからこそ、食事と同じように化粧品にも目を向けるべきだ」と考える人が増えていったのだそう。



キンバリーさんは、それぞれの国の文化や状況によって広まり方やペースに違いはみられるもの、クリーンビューティーは「これから着実に前に進んでいくトレンド」だと考えているのだとか。
実際にアメリカにとどまらず、オーストラリアやカナダでも、5年ほど前からクリーンビューティーは広まりをみせているといいます。




クリーンビューティーの条件は?


キンバリーさんによると、クリーンビューティーを考えるにあたって、押さえておきたいポイントは以下のとおり。


「まず、肌は人にとって最大の臓器であるからこそ、そこに何を与えるか意識を向けることは非常に重要です。
また、化粧品が子供にとっても安全なものであることは不可欠。イギリスで行われたある調査では、イギリスで生まれた赤ちゃんに、へその緒を通じて137の有害物質が届けられていることが分かったというデータもあるんですよ」



さらにキンバリーさんは、私たちが日々健やかに生きていられることは「自然の恵みによってもたらされた奇跡」であると力を込めます。


「(自然のギフトを)私たちは当たり前のように思いがちですが、あらためてそのことを認識して、自然のミラクルによって維持されている身体に有害なものを積極的に取り入れない、という視点を持つことも重要なポイントだと考えています」



そして、人に対してだけでなく、地球の環境に配慮したプロダクトであることもクリーンビューティーには欠かせません。
実際にキンバリーパリーオーガニックスでも、リサイクル可能なパッケージを採用する、農薬や化学肥料を用いていない原料を使用する、フェアトレードの原料を取り入れるなど、地球環境にも配慮した取り組みを行っています。



まずは1アイテム、クリーンビューティーなアイテムに変えてみよう


いくらクリーンビューティーなアイテムが肌や環境にもやさしいからと言っても、ぱっと普段のスキンケアを切り替えることにハードルを感じる方も多いはず。

そこでキンバリーさんは、まずは1つのアイテムからスタートを切ってみてはと話します。
キンバリーパリーオーガニックスの商品の中でいうと、軽いメイクアップなら落とせてしまう「クリーミークレンザー」をまず手にとってみてほしいとのこと。

クリーミークレンザーは、ソフトな肌ざわりが特徴のミルクタイプの洗顔料。
3分から5分、時間をかけて額からあごに向けて小さな円を描くようにマッサージしてリンパを流していくと、余分な角質がマイルドにオフされモチモチとうるおった肌に導いてくれます。


▲「クリーミークレンザー」はノーメイクで2プッシュ、メイクは3プッシュを目安に使うのがおすすめだそう!


▲濡れている顔にやさしくマッサージするようになじませ、水またはぬるま湯で洗い流したら、あと肌のもっちり感を実感できるはず


ひとつアイテムを変えてみることで、あたらしい発見や気づきがあるかもしれませんね。




みんなが自分に合ったものを選択できる環境に


さいごに、「消費者のみなさんが自分にとって必要な情報を十分に得たうえで、何が自分には合っているものなのか、自ら選択できるような環境をつくりたいというふうに思っています」とキンバリーさん。

そのためにも、消費者とさまざまなコミュニケーションをとりながら、正しい情報をきちんと届けることを意識しているそうです。


「(正しい情報によって)『あ、これは自分にとっていいな、家族にとっていいな』と感じ、気持ちを動かしていただくことによって、商品を手にとっていただきたいと思います。
そうしてクリーンビューティーを享受する方が増えることで、私の役割は十分に果たせたと、思えるのではないかと考えています」(キンバリーさん)




USDA認証とは?


USDA認証は、アメリカ農務省(USDA)傘下の米国農務省全米有機プログラム(National Organic Program)が行っているもの。

認定条件として主に以下の項目があることも、今回の取材で教えていただきました。

・原料は、収穫の3年前まで農薬、化学肥料未使用の土地で有機栽培されていること

・原料の遺伝子組み換え、電離放射、下水汚染は禁止

・水と塩分を抜いた質量で、製品の95%以上がオーガニック原料であること

・残りの5%も国が認めた合成物質、天然物質であること


「キンバリーパリーオーガニックスがオーガニック認証を取ると決めたのは20年前ですが、実際に認証をとった後も年に1、2回の監査があります。職場の状態、外注、サプライヤー情報や材料なども検査の対象になっているんですよ。
USDAから求められたものは全て提出、表示する必要があり、必要な準備に1日8時間~10時間を要することも。それでも政府によって定められた厳格な基準をクリアし、第三者の公共機関からのお墨付きを得ることは、とても大切なことだと思っています」(キンバリーさん)


キンバリーパリーオーガニックス製品一覧

【洗顔】クリーミークレンザー 50ml ¥9,500+税

【化粧水】リプレニシングトナー 50ml ¥8,000+税

【美容液】ナリシングセラム 15ml ¥12,000+税

【美容液】バランシングセラム 15ml ¥13,000+税

【乳液】インテンスクリーム 30ml ¥18,000+税

【夜用バーム】フェイシャルバーム 45g ¥15,500+税

【スペシャルケア】エクスフォリエーティングマスク 54g ¥13,500+税


「『クリーンビューティー』とはそもそもシンプルということも根底にありますから、キンバリーパリーオーガニックスでも、厳選したできる限りシンプルなラインナップであることも意識しています」(キンバリーさん)


▶いま注目の“CLEAN BEAUTY”をもっと知るには


(日本すっぴん協会運営チーム・秋丸穂乃佳)

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