日本すっぴん協会

君島十和子さんに学ぶ、キレイのレッスンVol.3【暮らし編】

2018/08/10


美容家の君島十和子さんに、その美しさの秘密を伺うインタビュー。最終回は、君島さんが暮らしの中で大切にしていることについて教えていただきました。

“ゼロ地点”が美のスタート

―最終回は、ライフスタイルに関するお話を伺っていきたいと思います。まず、君島さんにとって住まいを整えるということは、掃除をして清潔になる以上にどのような意味合いがありますか?

君島さん:住まいって、誰に見せるでもなく、自分と向き合う場所だと思っています。
ですから、住まいに対して何かフタをする部分や、見ないでおこうという負の部分をつくってしまうと、その少しのズレが最終的には仕事や人間関係にさえ影響を与えて、全体のバランスを崩してしまうような気がしているんですね。


―出発地点を大切に、ということですね。

君島さん:私は、間違いのない判断や自分らしい判断をするには、原点に戻る瞬間が大切だと考えているんです。
もちろん、環境や仕事、周囲の方々によって変化していくことも大切で、学んで成長していく自分もあると思います。けれども、やはり最終的に判断をするのは自分自身の感性。新しい感性を取り込むにしても、“ゼロ地点”である住まいを大切に、整えておくということが、私の中では1つの答えになっていて。



―1日の始まりであり、帰る場所でもあるところをキレイにしておけば、自分の軸がブレないでいられる、ということでしょうか。

君島さん:そうなんです。ですから、キレイにすることが目的ではなく、自分自身のスタンダードを知っておくことが大切だと感じますね。



大事にすべきものなのか、手放すべきものなのか

―君島さんは、スキンケアブランドのクリエイティブディレクター、母、妻とさまざまな顔をお持ちです。多忙な毎日を過ごされていることと思いますが、限られた時間の中でも住まいを美しく保つために、意識されていることはなんでしょうか。

君島さん:それはもう、断捨離が一番(笑)。断捨離と言っても、本当に自分に必要で、大切にするべきものと、手放すべきものとを、判断していこうと思うんですね。


―見極めることが大切、と。

君島さん:やはりモノを持つにも、許される範囲やそれを整理する時間やスペースも決まっています。またどんなに気に入ったものでも、しまい込んでしまえば忘れてしまうもの。


私も、過去にはあんなに欲しくて買ったものなのに、無駄にしちゃったなと思うものもありますよ。けれども50代を迎えて、“自分の許容量って無限大じゃないな”と実感しました。だからこそ、本当に必要なものなのか考え、使わなくなった時には処分できる範囲内で買うことが大切だと思うんですよね。



―ひとつものを購入するにしても、熟考するようになりますね。

君島さん:“これは娘に譲って価値があるものなのかな”とも考えるようになりましたね。そういうふうにモノの価値を見ていくようになると、人生観もガラッと変わってしまったなって(苦笑)。



マイナスの感情は秒速で手放すのが美しさの秘けつ

―昨今は女性が社会でさまざまな役割を担い、多忙な毎日を過ごしている方も多いと思います。そんな中でも、君島さんの考える、心に余裕をもっておくためのコツについても伺っていければと思います。

君島さん:私は、「怒り」や「イライラ」、「ジェラシー」など、総称して「マイナスの感情」と言われる感情は、自分の細胞を劣化させると考えているんですね。


日々、仕事として「美容」に向き合って、自分の細胞を劣化させないように気をつけているつもりなのに、ちょっとしたことで「イラッ」とするとその瞬間から大きなパワーで内側から自分を劣化させてしまう。そういうふうに自分に言い聞かせていて。ですから、なるべくそういった感情は、秒速で手放すように心がけているんですね(笑)。



―内側から壊れていくと思ったら、なるべく素早く手放していきたいですよね・・!

君島さん:そうなんですよ。内側から劣化させてしまうのは、もったいないこと。
とはいえ、生きていればマイナスの感情が沸いてくることもありますよね。気持ちの切り替えになるスイッチを複数持っておくことが大切で、お気に入りのハンカチや香りを持ち歩くでもいいですし、スイッチになるものをたくさん散りばめておくと良いと思うんですね。


―気持ちだけで切り替えようとしても、なかなか難しいことってありますものね。

君島さん:あとは、負の感情が生まれてしまうような場面でも、「ここでこういう経験をさせていただいて、私、またスキルアップしちゃうんじゃないかしら」と思い直して、向き合っていくことも大切なのかなと思いますよ!



―最後になりますが、日本すっぴん協会の読者にメッセージをいただけたらと思います。

君島さん:今は豊富にコスメがあり、迷ってしまうこともあると思います。けれども“臓器の1つ”である肌は、そう簡単にコロコロと流行についていかれるものでもありません。


だからこそ、やはり基本的なお手入れや、自分が心地よいと感じるものを続けていただきたいなと。この方法が良いかもと感じたら、その化粧品や、美容法の真価を感じるためにも3か月は続けていくことを大切にされてくださいね。


スキンケアの時間をご自身と向き合う時間にすることで、心地よく取り組んでいただきたいなと思います。




君島 十和子

美容家
FTCクリエイティブディレクター

1966年生まれ。東京都出身。1985年、19歳で航空会社のキャンペーンガールとしてモデルデビューし、その後は映画やテレビ、舞台などで女優として活躍。
1995年、結婚を機に30歳で芸能界を引退し、2005年にスキンケアブランド「FELICE TOWAKO COSME(現・FTC)」を立ち上げる。美容家として「十和子道」(集英社)など、著書も多数。

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