日本すっぴん協会

潤いがあることで、しなやかな強さを持った女性に。- 水井真理子

2017/07/10

お2人目の専門家は、美容誌や女性ファッション誌で等身大のスキンケアアドバイスやテクニックを提案し、10代~60代まで幅広い年齢層の支持を集めるトータルビューティアドバイザー・水井 真理子さん。
その人の肌を見るだけでスキンケアの履歴から食生活までが分かってしまうという水井さんに、日々を忙しく過ごす女性たちが心から美しくなるためのヒントを伺ってきました。三回に分けてお届けいたします。


—水井さんは多忙の中でもいつもパワフルで、笑顔が印象的な女性、という印象です。普段はスキンケアを中心としたお話をされているかと思いますが、第一回目は、水井さんご自身が20代30代をどのように過ごされたかお伺いしたいと思います。

私はOLを経て、20代でファッションジャーナリストの秘書を務めました。22歳の時、それまでのOL経験から一転してパリコレクション、ミラノコレクションなどのファッションの世界に飛び込んだんです。
「着ること」を通して女性の生き方を綴るエッセイを執筆されていたボス(ファッションジャーナリストの光野桃氏/現 エッセイスト・作家)と私の2人だけの事務所でした。
1人で事務所にいることがほとんどでしたので、誰にも仕事のやり方を聞くことができずに、毎日右往左往していましたね。何かあっても1人で解決するしか選択肢がなく、仕事として最善の結果にしなければならないというプレッシャーの中で言いたいことが伝わらずに、日々自分の無力さを痛感しながら仕事していました。
入ったばかりの頃はストレスで過食に走って2か月半で8キロも体重が増えたことも(笑)。
30代では、エステティック会社でスクール講師やエステティシャンとして働き、マネジメントなどにも携わりました。


―22歳で新たに飛び込んだ環境では、大変なご苦労があったのですね。その時は、初めての“仕事での壁”をどうやって乗り切っていかれたのでしょう。

「このままじゃいけない」、「自分のできることは何だろう?」と考えるようになって、お茶を入れること、荷物を送ることといった、今まで当たり前にしていたことを極めてみよう!と思ったことが乗り越えていくきっかけとなりました。
当時の私のできることは、ほんの小さいことの日々の積み重ね。
例えば、「気配り」ではなく相手の気持ちを考えた「心配り」ができるようになること。そして、いつも元気で笑顔を絶やさないこと。当たり前のようで、なかなかできていなかった「いつものこと」を毎日繰り返す癖をつけることが大切だと知ったのは、この頃だったのかもしれません。


―そうやって今の水井さんの基礎ができあがっていったのですね。苦労の中で気づきを得たファッション業界にはいろいろと思い入れもあったことと思いますが、どのようなお気持ちで30代、美容の世界に身を置くことになったのでしょうか。

20代でファッションを通して人がキレイになる姿を見てきたので、今度は自分が人をキレイにする、人に喜んでもらえることをしたいと思ったことでしょうか。
実は私、小さい頃は外で真っ黒になるまで遊んでいたし、高校生まではコパトーンを塗って海で焼いていたほど。
母も黒かったので自分のことは地黒だと思っていたんです。
それに輪をかけて、20代ではいわゆる大人ニキビに悩まされ、首元から頬、こめかみまでニキビができてしまって、自分の目指す肌とは無縁の状態でしたね。
もともと、そんなコンプレックスの時代を過ごしていたので、10代の頃から酵素洗顔をしたり、20代の頃は肌悩みに合わせて美白やニキビの改善にさまざまな化粧品を試したり、美顔器を買ったり自分なりの努力をしてきたので美容にはとても関心がありました。
そのうえで、さきにお話した「人をキレイにして喜んでもらいたい」という思いと、もう一つは、女性がキレイになっていく過程で笑顔になる瞬間を見ることが大好きだった、という理由もあるかもしれません。


―その後、42歳でトータルビューティアドバイザーとして独立されましたが、どのような時に、美容の力を感じますか。

以前、東京・大阪・京都・神戸などで3か月にわたって5回のスキンケアレッスンをしていたときの忘れられない出来事の一つに、レッスンを受ける前と受けた後の写真を持ってきてくださった方がいらしたんです。肌はもちろんのこと、何より笑顔が変わってきたんですよね。そして、その方のお手紙に添えられていた言葉の中で「肌が変わることで、人生がこんなにも豊かになると思っていなかった。肌を大切にすることで自分の心も素直になりました。これからはファッションも楽しんでいこうと思います」と。
また違う会場では、「自分は男っぽいからパンツスタイルなの!」と豪語されていた方が、一年後のレッスンにスカートをはいてニキビがキレイになった肌を見せに来てくださったこともありましたね。

肌と向き合っていくと、その人の積み重ねた時間や努力が結果として、心の中にある「つっかえ棒」みたいなものまでも取り除いてくれるような気がします。
スキンケアしているときは、肌が裸でいる状態でしょう。裸で向き合うことは今の本当の自分を見ることだから、とても大切なんですよね。
その自分を受け入れて次にどうするかは、自分次第で決まるんです。
乾いていると心も肌も折れやすいけど、潤いがあることでしなやかな強さを持つということは、女性だからできることできることじゃないかな。


水井 真理子

トータルビューティアドバイザー

OLを経てエッセイスト光野桃氏の事務所に勤務。28歳のときに色彩心理学を学んだことをきっかけに美容の仕事に転身。42歳で独立し、現在はマネジメント、エステティシャン、講師経験を活かし、雑誌や講演会、さらに化粧品のアドバイス、メソッド開発、マナー研修などで幅広く活躍中。その人の肌を見ただけで、スキンケア方法や食生活まで分かる肌診断が人気。

https://www.instagram.com/mariko_mizui/

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