しっかり眠っているはずなのに、疲労感が抜けない。食事制限をしているのに痩せない。少しの事でイライラする。集中力が落ちた。こういった症状の原因のひとつに、睡眠の質の低下による「睡眠負債」が考えられます。
上記の症状にお悩みのかたは、もしかしたら睡眠の質を上げると改善されるかもしれません。
今回はそんな睡眠の質を上げる手軽な方法を、奈良県立医科大学・大林賢史先生にお聞きしましたのでお伝えいたします。

就寝時の明かりが肥満リスクを増やす!?
光の刺激は脳の活性化に影響を与えるといわれています。それはごく小さな光でもあることで、就寝時の豆電球ほどの明かりが脂肪代謝を低下させ、肥満リスクを増やすという奈良県立医科大学の大林賢史先生による研究結果もあります。
入眠時には、テレビや少しの明かりを付けていないと落ち着かない……という方もおられるかもしれませんが、なるべく光を遮断して入眠するように心がけてみてください。
入眠開始90分間に深部体温をさげて、睡眠のゴールデンタイムの質を高める
深い睡眠を作り出すには入眠後90分のゴールデンタイムの質を高めていくことが最も重要なのだそうです。
入眠後90分の質を高めると、肥満リスクが減り、アンチエイジング、新陳代謝UP、ストレス解消、疲労回復、また運動をする方ならパフォーマンス向上、仕事では効率UPなどの嬉しい効果が期待できるといわれています。
なぜ入眠後90分の質を高めるのが良いのでしょうか。それは入眠後90分の間は、総睡眠時間中の分泌量の約80%を占める【グロースホルモン(成長ホルモン)】が分泌されるからです。
良質な睡眠を得る鍵とは
人には体の内部の体温である「深部体温」と、手足の温度である「皮膚温度」の2種類の体温があります。深部体温は日中に高く夜間に低くなり、皮膚温度は昼に低くなり、夜間に高くなるといわれています。
人は皮膚温度を上げて手足から熱を放散をすることで、深部体温を下げて睡眠に入ります。この皮膚温度と深部体温の差を縮めることが、入眠後90分の質を高める鍵になるのだとか。
以下ではそんな2つの体温の差の縮め方についてご紹介します。
睡眠開始予定90分以前なら入浴を。眠る直前ならシャワーや足湯を。
深部体温には上がった分だけ大きく下がろうとする性質があるので、入浴で深部体温を上げれば、入眠時に必要な深部体温の下降が大きくなるので、良質な睡眠を得られる効果が期待できます。
しかし、深部体温が下がるまでには約90分ほどかかるといわれています。また、眠る直前に入浴をすると脳を覚醒させてしまう可能性があります。
そこで眠る直前は、湯船に浸かるよりもシャワーがオススメ。また、眠る直前の足湯も良いそうです。足湯は熱放散のアプローチをして、深部体温降下に一役買ってくれるのだそうです。入浴の時間が取れない方はシャワーや足湯で工夫をして!
手足ポカポカ!就寝前の深部体温降下体操
眠る直前に激しい運動をすると脳を活性化させてしまうので、簡単な運動をして手足を温めて。オススメなのはグーパー体操と足首体操です。
グーパー体操
床や椅子に座り、両手足の指をしっかりグーパー開いて閉じてを30回行いましょう。
足首体操
(1)壁や椅子につかまり、両足のかかとを高くあげる
(2)片膝を曲げて、足を下ろします。足首をしっかり前に押し出す意識を持ちましょう。
(3)もう一度背伸びをするように、かかとを高く持ち上げます。
(4)(2)と逆の足の膝を曲げて、足を下ろします。
こちらをリズミカルに左右交互に50回ほど行います。
心と身体を美しく健康にしてくれる睡眠。入眠90分間のゴールデンタイムを良質なものにすることで、より生き生きと毎日が気分爽快に!
また睡眠の必要量は個人差があります。眠れないのに「寝なきゃいけない!」とストレスになる前に、まずは90分のゴールデンタイムを充実させてみてくださいね。
【取材協力】
※奈良県立医科大学・大林賢史先生
ライタープロフィール
スタイルアップトレーナー・才原洋子
女性のためのスタイルアップトレーナー。女性専用トレーニングスタジオSOU赤坂店主宰。OPEN3か月で予約の取れない人気店に。BESJpilatesマスタートレーナー/バーオソルオフィシャルトレーナー/女性の美ボディメイクを数多く実現。
【保有資格】
Body Element Pilates トレーナー/BodyKey トレーナー/MasterStretch トレーナー/SOU認定スタイルアップトレーナー/SOU認定 スタイルアップ矯正士/小顔美容矯正士/NCG栄養コンシェルジュ
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【参考】
※睡眠の「質の上げ方」を知って、日中のパフォーマンスをアップ! – 世界睡眠会議
※西野精治 著(2017年)『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)