目もとは年齢による変化が出やすく、また顔の印象を大きく左右するパーツ。
だからこそ、目もとの悩みが深刻化する前から日々のケアに取り入れておきたいのが「アイクリーム」です。
多くのスキンケアブランドがスペシャルケアとしてアイクリームを出していますね。
でも、「どうして目もとだけ特別なクリームを使うべきなのか」「具体的にどんな効果があるのか」を知らなくては、自分にあったアイクリームを選ぶことは難しいのではないでしょうか。
そこで今回は、目もとの肌の特徴とそれによる肌悩みについて、どのようなアイクリームをどのように使えば効果的なのかについて、ご紹介したいと思います。
目もとの肌悩みとその原因
目もとの皮膚の厚さは、頬の約2分の1ほどしかありません。水分が蒸発しやすく、また皮脂の分泌も少ないので、乾燥しやすいことが特徴です。
そして、デリケートな部位であるにもかかわらず、さまざまな刺激に晒される部位でもあります。
目もとはアイシャドウ、アイライナー、マスカラ…といった、いろいろなアイテムを使ってメイクをするため、メイクのときも刺激の多いパーツです。
またそれを落とすクレンジングも、目もとに刺激を与え、肌の負担となっています。
メイクやクレンジングだけでなく、目もとは紫外線や大気汚染、乾燥などの外的刺激を受けやすいパーツでもあります。
さらに、目もとは1日に2万回まばたきをし、表情によってよく動かす部位なので、シワができやすいく、老化や紫外線のダメージによる真皮のコラーゲン不足や筋肉の衰えなども重なって、深いシワやたるみも年齢とともにできやすいなど、目もとの環境はとても過酷。
さらに、摩擦による色素沈着である茶グマや、血行不良による青クマができると、顔が疲れて見えてしまうので、しっかりとしたケアが必要なのです。
アイクリームの特徴
乾燥対策をするのであれば、保湿力のある顔用クリームを目もとにも使えばいいのでは、と思われるかもしれません。
しかし、皮膚が薄く顔の他の部分とは違う目もとのために、油分と水分のバランスを変えて作られているのがアイクリームなのです。
先に述べたように目もとはダメージを受けやすく、年齢とともに悩みが増えやすい部分。
そのため、保湿成分にプラスして、目もと特有の悩み(クマ、たるみ、小じわなど)に特化した有効成分が配合されているものが多いことも特徴です。
また目もとは皮膚がデリケートで目に入る可能性もある部位なので、刺激が強い成分は避けて配合されており、安心して使うことができるように工夫されているのです。
アイクリームに含まれる成分
基本的には、アイクリームの成分は「目もとの皮膚に合わせた保湿成分」と「目もとの悩みに効果的な有効成分」で構成されています。
デリケートで乾燥しやすい目もとをしっかりと保湿することで、小じわができにくく、ダメージを受けにくい肌に導いてくれます。
それに加えて、クマやたるみ、小じわといった、それぞれの悩みに特化した有効成分を配合しています。
つまり、保湿によって守りの目もとケアを行うと同時に、今ある悩みを改善する攻めの目もとケアを行うことができるのです。
アイクリームの選び方
アイクリームを選ぶには、保湿力に注目すると同時に、自分の目もとの悩みに合った成分が配合されているかどうかをチェックすることが大切。
それぞれの目もと特有の悩みに、どんな成分が効果的なのかを見てみましょう。
小じわ
目もとは乾燥しやすく、乾燥した状態が続くと浅い小じわができてしまいます。
小じわは目元の老化の予兆でもあるため、早い段階でしっかりとケアしておきたい悩みです。
「ちりめんじわ」とも呼ばれるこの浅く細かいシワが気になる人は、目もとの保湿を効果的に行うことで改善されることが期待できます。
セラミド
肌の細胞間脂質の中の「ラメラ構造」という構造を作っている成分がセラミドです。
このラメラ構造が整い、細胞間脂質がしっかりとある肌はしっとりと保湿されている健康的な肌と言え、肌のバリア機能が正常に働いています。
このセラミドを補うことでバリア機能を整え、乾燥を防ぐことができるようになります。
ヒアルロン酸
たったの1gで6Lもの水分を保持できると言われているヒアルロン酸。
もともと人間の肌の真皮にある保湿成分ですが、化粧品に含まれるヒアルロン酸は角質層ではたらき、その保水力で角質層の水分をとどめてくれます。
ヒアルロン酸で角質層の水分を維持することによって肌の乾燥を防ぐことができるのです。
アミノ酸
角質層に水分を蓄える天然保湿因子の半分以上は、アミノ酸で構成されています。
さらに、角質細胞の80%はケラチン繊維でできているのですが、これもアミノ酸でできています。
アミノ酸を補うことによって健やかで潤いがあり、外的刺激を受けにくい肌を目指すことができます。
乾燥小じわは早くからきちんとケアすれば目立たなくすることができる可能のある肌悩みです。
目もとのエイジングが始まったサインでもある小じわの段階でしっかりとケアすることが、目もとの老化を遅らせるために効果的だといえます。
たるみ、深いしわ
目もとのたるみや深いしわは、真皮のコラーゲンなどの弾性線維が加齢によって減少することや、筋肉の衰えが主な原因。
肌にハリを与える効果のあるものを使って、若々しい目もとをキープすることが大切です。
レチノール
レチノールはビタミンAの一種です。ヒアルロン酸やコラーゲンの産生を助ける成分なので、肌のハリを出したい人には効果的な成分です。
また、ピーリング効果もあり、肌のターンオーバーを正常にしてくれるので色素沈着によるくすみがある人にもおすすめ。
しかし、肌が弱い人だと刺激があったり、乾燥しやすくなったりする可能性があるので、きちんと保湿しながら使うようにしましょう。
ペプチド、EGF
成長因子とも呼ばれるペプチドやEGFは、複数のアミノ酸が結合したものです。加齢により再生能力が低下した皮膚の細胞を活性化させることで、しわ改善への効果が期待できます。
若々しい肌を保つのに有効だとされ、エイジングケア製品に配合されることが多くなって注目されています。
くま、くすみ
たるみによるくまは上記のたるみやくすみの対策で改善することができます。青くまは血行不良、茶くまは色素沈着と、くまの種類によって有効な成分は異なります。
ビタミンK
血行不良が原因の青クマには、皮膚のコラーゲン量を増やしてくれるレチノールなどで薄い皮膚を強化して血管の色が透けるのを目立たなくさせたり、ビタミンKで血行を良くすることが効果的。
また、ビタミンKは血行を良くするだけでなくメラニンの生成を抑制するはたらきもあるため、色素沈着によるクマを防ぐ効果も期待できます。
ビタミンC誘導体
美白化粧品の有効成分としてポピュラーなビタミンC誘導体は、目元の色素沈着にも効果を発揮します。
メラニン色素の生成を防ぎ、摩擦などの刺激から色素沈着を起こしてしまうことを防ぐうえ、今あるメラニン色素を還元して薄くする効果もあるので茶クマには有効です。
目もとの茶クマ、くすみは色素沈着が原因なので、ビタミンC誘導体の他にも、美白有効成分が入ったものを選ぶことが大切です。
ハイドロキノンは美白に有効で有名ですが、刺激となることもあるので目もとに使うときは注意が必要。
プラセンタは美白にも有効かつアンチエイジング効果もあるので、目もとにもおすすめできる成分です。
選び方のコツ
アイクリームを選ぶ場合は、悩みに対応した成分のほかに、伸びやテクスチャーにもこだわりましょう。
伸びが悪いと結果的に目もとの肌を引っ張ったりこすったりすることにもつながるので、しわを悪化させたり、摩擦による色素沈着を起こしたりします。
テクスチャーが自分の好みに合っていて、伸びが良く浸透しやすいものを積極的に選び、塗り方にも注意してみましょう。
アイクリームの使い方
アイクリームを塗るタイミング
基礎化粧品は基本的に、油分の少ないみずみずしいものから先に使い、油分の多いこってりとしたものを後から使います。
アイクリームの油分の多さやテクスチャーにもよりますが、美容液状のさらっとしたものなら、美容液と同じように化粧水の後、乳液の前に使うこともあります。
ただ、アイクリームはこってりとしたリッチなテクスチャーのものが多いので、乳液の後、フェイスクリームの前に使うものが多いように思います。
迷う場合は、アイクリームの商品説明をしっかりと読んで使用しましょう。
アイクリームの塗り方
アイクリームの使用量は商品説明をよく読み、従いましょう。
アイクリームは高価なものも多いので、もったいないからと少量しか使わないと、肌に摩擦を与えてしまうことにもなりかねません。使用量は守ってくださいね。
塗るときは、まずアイクリームを手にとって温め、目もとの気になる部分にトントンと点のように置いていきます。
塗るときは人差し指で塗りがちですが、余計な力が入りにくい薬指を使うのがおすすめ。擦らないように優しく塗り広げ、成分をやさしく肌に押し込むようになじませます。決して、目もとをこすったり引っ張ったりしないようにしてくださいね。
気になる部分に重ね付けするときも同様に広げて、なじませましょう。
まとめ
目の周りの皮膚はデリケートでダメージを受けやすく、早くから悩みの症状が出やすい部分です。
症状が出始める頃から早めにアイクリームで対処することで改善が期待できるので、自分にあったアイクリームを正しく使ってケアしていきましょう。
(美容ライター/高橋 侑希)
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