これからの季節、UVカット効果のあるカーディガンやパーカーを使う人も多いかと思います。衣類品のUVカット機能は日焼け止めと同じで「反射させるもの」と「吸収するもの」の2種類あります。では、そのUVカット機能は洗濯しても落ちないのでしょうか? 今回はUVカット効果のある衣類のナゾについてお話しします。
■UV対策製品のメカニズム
布製品などのUVカット機能は、肌に塗る日焼け止めと一緒で、UVを「反射させるもの」と「吸収するもの」に分かれています。
天然素材は吸収剤や反射剤を布地に吸収させたり付着させることが多く、化繊は紫外線を吸収・乱反射させる酸化チタンや特殊セラミックのなどの微粒子を繊維の中に練り込んでいます。
■米国やオーストラリアでは「UPF」という指数を採用
紫外線対策製品のラベルなどで「UPF(Ultraviolet Protection Factor)」という表示がされていることもあります。「UPF」とは、日焼け止めの「SPF」表示に似たもので、米国やオーストラリアなどで使われている衣類の紫外線防止指数のことです。
紫外線に肌をあてて赤くなるまでの時間の目安などを元に計測し、紫外線をどれだけカットする衣類かを数値化しています。「25」と書いてある場合には、紫外線の25分の1(4%)が生地を通過するということになります。
■洗っても落ちないの?
一概にはいえませんが、成分を付着させているものは落ちやすいけれど、練り込んでいるものは継続して使用しても効果が低下しにくい特徴があります。
消費者センターによる「夏用手袋の紫外線遮蔽(しゃへい)効果について」の実験では、10回洗濯したくらいでは効果は変わらず、綿などはむしろ洗濯により生地が縮んだ分、最初より遮蔽率が上がったそうです。同じ実験ではレース生地などより、生地の目が詰まったものは高い値を示したとの結果になっています。
UV対策製品を選ぶ時には、UPFやUVカット率の数値を確認して、シーンごとに使い分けるのもよさそうですね。
(ごきげん手帖編集部)
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【参考】※家庭用衣料品の加工等の種類 – 製品評価技術基盤機構
※※日焼け止めだけでは足りない!UPF、SPF、PAで紫外線対策 – デサント※UPF素材 – パタゴニア※紫外線防護効果について – アイベックス
※牛田専一郎著(2014)『「何もつけない」美肌術: 皮膚科学に基づく本当に正しいスキンケア法』主婦と生活社※UVカット素材 – 日本化学繊維協会
※平成24年度共同商品テスト「夏用手袋の紫外線遮蔽効果について」結果報告書 – 横浜市消費生活総合センター(PDF)