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笑顔で立ち向かって、進みたい道へ - ヘアメークアップアーティスト・イガリシノブ

目の下チークや赤リップなど、「イガリメーク」をヒットさせたヘアメークアップアーティストのイガリシノブさん。
今回はイガリさんに、メークを学ぶためロンドンに飛んだお話や自分の人生の掴み方、ご自身の肌人生やメークで大切にしていることまで、たっぷりと教えていただきました。3回にわけてお届けします。


―まずはイガリさんが、ヘアメークアップアーティストを目指した理由からお伺いしたいと思います。

実は最初からヘアメークを目指していたわけではないんです。もともと肌が弱いので薬剤師を考えていたこともあったけど、頭の良さは連動しないので(笑)、ファッションもいいかなと考えていて。たまたまバンタンデザイン研究所のファッション科に体験学習へ行ったときに、ヘアメーク科もあって、そこにカッコいい先輩がいたので(地元の栃木から)とりあえず親元を出たいこともあり、ヘアメークの道に進んだんですよ(笑)。そこからのスタートです。

バンタンで1年過ごした後は、別のメークスクールに半年通って、その1カ月後にはロンドンに行ったんです。両親に、「(バンタンの)2年目の学費を全部ください。これでロンドンに行きたいです」ってお願いをして。

―ロンドン出発はだいぶ勇気というか、踏ん切りがいりそうな決断ですよね。現地での生活はいかがでしたか?

「え、こんなに自由でいいんだ」みたいなカルチャーショックはありましたね。
ロンドンの専門学校の学費は、500万円ほど。高くて学校には行かなかったのですが、日本人のデザイナーでパリコレに出ている方のアシスタントのバイトをしながらお金を得ていましたね。
あとは、友達が専門学校に通っていてので、そこのモデルにちょっと出たりすると、授業をただで受けられて(笑)。そのあとバックパッカーで旅もしました。


―ロンドンで学んだことは、振り返ってみてどんなことだったと思いますか。

外国の人って、例えば孫の結婚式があったら、おばあちゃんやおじいちゃん、おじさん、おばさんまでみんな踊ってたりするじゃないですか。ああいう楽しみが、日本人はお祭り文化の人たちだけど“恥ずかしい”が先に来てしまって、抑えられてるなと思っていて。もっと思いっきりやれば恥ずかしくないのに、そういう“おじいちゃん、おばあちゃんの方がすごくない!?”みたいなところを学んできたかなと。人生は80年とか長いですけど、楽しんだ者勝ちだなと思いましたね。

―なるほど…たしかに海外の方のほうが、そういうことを恥ずかしがらずに思いっきりやっているイメージはありますね。その後、ロンドンで学ばれた後のお話についてもお伺いしたいです。

(ロンドンに発って)1年半後くらいに日本に帰って来るんです。アルバイトもヘアメーク以外はしてなかったんですけど、まだなぁなぁとしている感じでした。
だけど一つだけ、親に学費を出してもらったから、親に負けたくない、親だけは負かしたいというところがあって。親に学費を出してもらったのに途中でやめてしまう、それにはなりたくないと思っていて。24歳でアシスタントについて、25歳で独立したんです。


―独立した最初は、どんなお仕事が多かったのですか?

そんなに華やかなスタートではなくて。とはいえ、初めから梨花さんと加藤ミリヤさんは結構担当させていただいて。梨花さんからいっぱい学ぶことがあったし、ミリヤさんでは“ミリヤメーク”という言葉が流行って。ミリヤさんは5年くらいやっていましたが、それも「絶対流行らすから」みたいな感じで思っていて。
時代を示すメークって、結構一つしかないんです。眉毛はこのかたちです、リップはこのかたちです、ほくろはこの位置です、みたいな。当時も安室奈美恵さんの“安室ちゃん眉毛”と一緒だからと思っていて、“ミリヤメーク”という言葉が「ViVi」から出てきたときには、嬉しかったですね。

―当時、具体的に目標としている仕事はありましたか?

専門学校時代はメークさんになりたかったわけではないんですけど、夢に描いていたのは渋谷の109の看板のヘアメークをやることと、電車とかの“ジャック”のヘアメークをやることで。トップという感じがして目標でした。109はミリヤさんに叶えてもらって、ジャックの方は、西武池袋線の食フェスの時に叶えさせてもらって
撮影って、「おはようございます」から始まってコツコツやっていったものが一つの大きなものになるんですけど、そこからさらにいろんなことをやっていくと、もっと大きなことができるじゃないですか。その仕組みがすごく面白いなと、ずっと思っています。


―お話を伺っていて、イガリさんはすごく、自分の道を自分で選ばれてきた方なんだなと思いました。なかなかやりたいことを選択していくことって難しいと思うのですが、自分らしい人生を選んでいくコツについても教えてください。

(ロンドンで)英語が通じなくても笑っていればレスポンスが返ってくるとか、そういうところをすごく学んで帰ってきた部分があったと思います。あとは、私は両親が厳しかったこともあり、それを跳ね返す何かは自分で作らなきゃいけないところはあったかなと。
跳ね返すには落ち込んでいてもだめだし、自分から意識して表情筋を使って、笑顔で向かってかなきゃいけない。もちろんそこからも課題はあるんですけど、最初のとっかかりは、そういうところにあるのかなと思います。


ヘアメークの道に進むきっかけとなった「カッコいい先輩がいた」というお話から、ロンドンでの経験、独立当初のお仕事までを伺いました。イガリさんのように、自分の人生を掴みとっていくためには何事にも笑顔で立ち向かっていきたいものです。
次回は「メークした時の自信のまま“すっぴん”でいられたらいいなと思っている」というイガリさんに、ご自身の肌人生やスキンケアで大切にしていることなどを伺います。お楽しみに。



イガリシノブ

BEAUTRIUM
Hair & Make up Artist

「ViVi」「MORE」をはじめ人気ファッション誌に5つの連載を持ち、「BEAUTRIUM ACADEMY」ではメーク講師を務める。印象的なチークとリップを施したメーク法が、日本のみならずアジアでも話題に。著書に「イガリ化粧 大人のためのメイク手帖」(講談社)、「イガリ印 365日メイク図鑑」(講談社) など。

Posted:

2017/09/04

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