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“表皮の専門家”として、女性の美のお手伝いを – 美容家・山本未奈子

美容に関する深い知識を生かし、多方面で活躍中の山本未奈子さん。美容家のみならず、実業家や母、妻とさまざまな顔を持ちあわせています。今回は、そんな多忙ながらも知的で穏やかな笑顔が印象的な山本さんに、ニューヨークの美容学校で学んだ時のお話をはじめ、ご自身の肌歴やスキンケアにおける考え方、美肌を育む食事・睡眠のポイントまでたっぷり伺ってきました。3回にわたってお届けします。


―まずは山本さんが、美容の道に進まれたきっかけから教えてください。

もともと美容が大好きで、32歳の時に夫のNY転勤が決まり、そこについていったことがきっかけです。当時から“好きを仕事にしたい”ということはずっと思っていたんですけれども、夫から「そんなに美容が好きだったら、それを仕事にすればいいじゃない」と言われて、本当にそうだなあと思ったんです。当時娘が3歳だったんですけれど、せっかく最先端の情報が集まるNYにいるのなら勉強しようということで、美容学校に行くことに決めました。

―思い切った決断でしたね! NYの美容学校では、どのようなことを学ばれたのでしょう。

NY州のエステティシャンのライセンスのコースに進んだんですけども、その中に皮膚科学の理論や細胞学、生物学、化粧品化学などがあり、基礎の部分で大変勉強になりました。そこでNY州認定ビューティーセラピストのライセンスを取得した後、もっと深く身体のことや細胞のこと、皮膚のことが知りたいと思い、化粧品開発に携わる方や教壇に立つような方が取得する、イギリスITECのビューティースペシャリストのディプロマを取ったんです。

―美容に関して多くのことを学んでいく中で、考えが変わったところはありますか。

はい、それまでは本当にただの美容好きという感じでしたので、新しい商品や高い化粧品などに投資して、知識もないまま使っていました。当時どんなにお手入れをしても、乾燥肌が治らないことが私の悩みだったんですね。
一から肌のことを勉強してみて、自分の肌を見直すきっかけになりました。美容好きが高じて肌を触りすぎていたりですとか、洗いすぎていたりですとか、自分の間違ったお手入れによってバリア機能が低下することで、乾燥肌を招いていたことに気がついて。


―美容学校では1年のあいだ朝から晩まで学んでいたともお聞きしていますが、得るものが多い分、ハードな毎日が続いたことと思います。

当初、エステティシャンのライセンスがそんなに難しいものとは思っていなかったんです(苦笑)。途中で何回も心が折れそうな瞬間はありましたが、ここで辞めたらいけないとすごく感じて、とりあえず最後までやってみようという思いで続けましたね。

―NYと日本では、エステについて学ぶ内容も、だいぶ異なるのでしょうか。

ひとつ決定的に違うのは、アメリカではエステティシャンが国家資格だということです。どうやって肌が作られるのかということから学ぶので、最初の授業は細胞の絵を描くことだったんですよ(笑)。あとは、衛生面を徹底するための学びの時間が多く取られていたり、どこからが医者の域になるかという部分で、病気についても多くを学びました。
肌は表皮と真皮層と皮下組織に分かれていて、真皮の部分に下がればお医者さんの域になりますが、私は(化粧品化学の部分にあたる)表皮の専門家だと思っていて。

―山本さんが、エステティシャンではなく“美容家”を選ばれた理由はどんなところにありますか。その当時だと、あまり今のように“美容家”として活動されている方もいなかったと思うのですが。

技術者としてというよりは、経験から得たことをお伝えしたいと思ったことがきっかけです。私が仕事するにあたって、会社も化粧品も美容家もすべてそうなんですけれど、女性って、美しくなることによってすごく生活が充実したりとか、心が豊かになったりすると思うんです。そのお手伝いをしたいというところが、すべての根本になっていて。


―多くの方に伝えたい、というお気持ちだったのですね。“好きなこと”を仕事につなげた方ということで、自分の人生をつかみ取っていくコツについても教えてください!

以前私に、「運と縁というのは皆平等に訪れる」というお話をしてくださった方がいらっしゃって。普段練習をしている人って、大きい波が来た時に乗れると思うんです。
私も勉強の苦しい部分がなければ今のようにはいかなかったと思いますし、やりたいことの第一歩としてとりあえず前に進んでみて、ここだけは負けないという部分を伸ばすようにすると良いと思っています。
あとは、楽しいと思えることはずっと続けられることだと思うので、無理をしないこともコツだと思いますよ。


第1回目では、山本未奈子さんが美容の道に進んだきっかけなどをお話しいただきました。美容について多くを学び、その経験やメソッドを伝えたいと美容家としての活動をスタートされた山本さん。さまざまな取り組みの根底には、女性の美や充実した生活のお手伝いをしたいという思いが根付いています。
次回は、スキンケアにおけるポイントをメインにお話しいただきます。お楽しみに。



山本 未奈子

美容家

1975年生まれ。UCL(ロンドン大学)を卒業後、ニューヨーク州認定ビューティーセラピスト及び英国ITEC認定国際ビューティースペシャリストの資格を取得。
主席で卒業したNYの母校(Atelier Esthetique Institute)で非常勤講師として教鞭を執り、拠点を日本に移すと2009年に美容ブランド「SIMPLISSE(シンプリス)」をスタート。現在は美容記事の監修や執筆活動、講演など多方面で活躍している。
「VOCE」で『Besame Beaute』を、「FRaU」では『スキンケアマスター山本未奈子の SKINCARE BAR 』を連載中。著書に『「なんでやせないんだろう?」 35歳からの「もう太らない自分」の作り方』(講談社)など。

Posted:

2017/09/25

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